〔レポート〕「すみだ向島EXPO」で、左官相談会を開催しました

「すみだ向島EXPO」の最終日、11月3日。「左官名人による 左官相談会」が開催されました。場所は路地の奥、長屋の一角「ウラダナ」です。全国町並み保存連盟さんの場所に飛び入り参加したかたちです。
左官の横山和弘さん、白石博一さんが、1日相談員を引き受けてくれました。

土壁や大津、漆喰、研ぎ出しなどの仕上げ見本、上塗りに使われる色土、コテやチリボーキ、左官関係の雑誌やファイルなどをご用意し、来場者に見ていただき、説明しました。

「土壁は聞いたことはあったけれど、実物は初めて見る」「壁が土でできてたなんて知らなかった」「土にはいろんな色があってきれい」といった声が聞かれ、「下から塗るんですか、上から塗るんですか」「今度、自分で珪藻土を塗ろうと思っているんですが」「土壁だと夏、涼しいですか」などの質問も寄せられました。


滞在時間が長い人が多く、海外の方もたくさんいらっしゃいました。地元や関係者の方々も訪れてくださって、この町の由来や最近の動きについても教えていただきました。



このあたりの長屋の多くは、関東大震災のあと、新潟からやってきた「越後三人男」と呼ばれる大工集団が建てたそうです。第二次世界大戦でも被災せず、いまに引き継がれていている木造家屋も多く、若いアーティストが借りたり、ギャラリーやバーができたり、レトロな趣と独創性とお洒落な雰囲気が混じり合っています。

ここ「ウラダナ」は、原型を残すような改修が行われており、天井を剥がしたことで、小屋裏の竹小舞も見えていました。そのため、土壁の説明もやりやすかったです。



等身大のスケールで暮らせる居心地のよさ、自由さとおおらかさ、そして当事者意識と誇りが感じられる向島界隈と地元の人々。左官と相性のよい町だと感じました。
向島のみなさま、全国町並み保存連盟さん、ありがとうございました。

動画提供:白石博一

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