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日本左官会議連続シンポジウム<福岡編>にお越しいただき、ありがとうございました。

去る11月3日(土・祝)、九州大学伊都キャンパス稲盛ホールで、連続シンポジウム「職人がいる町、塗り壁のある暮らし」を開催しました。

12:30の開場後、ロビーでは協賛各社の展示に加え、左官デモンストレーションをご覧いただきました。木舞掻きをして荒壁をつける工程、漆喰や珪藻土にパターンをつける仕上げなど、来場者の方々は興味深く見入っていました。

ロビーでは、左官の実演も行われた。毎回シンポジウムでは実演を見たいという希望が多く寄せられる。
ロビーでは協賛会社が左官材料や関連書籍などを展示し、左官の多様性を来場者に知ってもらうよい機会となった。

シンポジウムは、昭和の高度経済成長期時代を写真で振り返るという日本左官会議議長・挾土秀平さんの「俺たち左官の70年」に始まり、次に福岡の道下幸二さん、熊本の荒木新二さんが、地元九州にのこる左官仕事をピックアップして紹介。九州らしい味わいのある仕上げや景観を見せました。

クロストークでは、福岡の名人荒木富士男さん、髭が印象的な日本左官会議副議長で大分の原田進さん、左官を多用した設計で知られる建築家高木正三郎さん、名古屋を中心に活動するオールマイティな左官川口正樹さんが「私たちを取り巻くまちなみと左官」と題して、自然豊かな素材と手技の温かさを感じる左官という技能を見ることが減っている現状について語り合いました。

クロストークで自分たちの仕事の可能性と現状を語る登壇者。(手前から)荒木富士男さん、原田進さん、川口正樹さん、高木正三郎さん。

最後は挾土さんの講演。「左官の終焉は近いか 『中塗りして8㎜』の壁」は、ものづくりの国日本において、左官だけでなく職人の仕事が大切にされているとは言いがたい現状と、日本らしい景観の喪失について語りました。

クロストークの司会も務めた挾土秀平さん。

約150名の参加者を前に、20分ほど時間をオーバーし、熱く語った登壇者たち。話しを聞きながら、無名の職人が工夫した仕事、誰かが施主のために心をこめた仕事が積み重なって、日本の景観はできてきたのだと感じました。インバウンドに対応した観光化が表層的で魅力のないものにならないためにも、日本の職人仕事を守ることは危急のことのように思います。

来年も日本左官会議では、みなさんにお話を聞いていただく機会をつくっていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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