唐獅子土蔵修復プロジェクト、 日本ナショナルトラスト採択事業となりました!
じつは日本左官会議発足当初から、「ぜひなんとかしたい」と
みんなで声を合わせていたのが、岩手県花泉にある「唐獅子土蔵」の件でした。
これは明治末期、気仙郡米崎村の「奇跡のような腕と感性をもった」左官、
吉田春治がつくったもので、とにかく左官からすると、
「日本の左官技術の粋を集めた土蔵建築の最高峰」ということになります。
この土蔵が、東日本大震災により被災し、傷ついてしまったのです。
それでもなお、往事の輝きはまだ残されておりますが、
このまま放置しておけば、事態が悪化することは目に見えています。
そこで「千葉家唐獅子土蔵」について、所有者の方と相談し、
漆喰や土壁の崩落や損傷の悪化を防ぐために、日本ナショナルトラストの
「東日本大震災自然・文化遺産復興支援プロジェクト」に応募、採択されました。
来年春から、実際の修復にとりかかる予定です。
http://www.national-trust.or.jp/shinsaishien/SF-2saitakuichiran.html
お世話になったみなさま、ありがとうございました。
伝統的な建築が、色や形状だけ復元されて、
素材や技法は継承されないということは往々にしてあります。
ですが、今回は、吉田春治の手の跡をそのまま残すこと、
本当の職人の手業を探求し、継承することを第一義にしたいと考えています。
地元の方々とも連携しつつ、すすめていけたらと思っています。
どうぞ皆さまのご支援をいただけますよう、お願い申し上げます。(事務局 多田)
2007年6月の唐獅子土蔵東面。
2012年5月の唐獅子土蔵北面。